2021年7月にYouTubeショートが短尺・縦型動画フォーマットとして日本でもリリースされて以降、利用者数は年々増加しています。
若年層を中心に広く浸透しているこのフォーマットは、もはやYoutubeにおいて欠かせない存在です。
一方で広告の配信先という観点では、視聴態度からユーザー層、コンテンツ内容に至るまで、従来の横型動画とは全く異なるフォーマットとなっています。
Youtubeショートはほとんどが60秒以下(現在は最大3分まで投稿可能)という短時間かつ、興味が湧かなければすぐに他のショート動画にスキップできるような仕様となっています。
そういった環境下ではいかに早くユーザーの目を引けるかが重要になってくるため、結果的にセンセーショナルな内容の動画も多く投稿されているのが現状です。
ブランド認知目的で広告を配信するのであれば、どのようなプレースメントに広告が表示されるのかを懸念するマーケターの方々も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
- ユーザーの興味関心に基づいて広告を表示させる「アフィニティターゲティング」
- 関連性の高いトピックを元にした「トピックターゲティング」
を用いた上で、実際にショート面で広告配信を行なった結果どのような配信面に広告が表示されたのか、傾向と現状の課題について解説します。
配信設定
今回は美容・化粧品関連の商材と仮定して、ターゲティングを下記の通り設定しました。
アフィニティとトピックでやや選択できる内容の差はありつつ、ある程度内容が揃うような形で設定しています。
ターゲティングに基づく配信面の傾向
アフィニティターゲティング
アフィニティターゲティングは動画を視聴しているユーザーの興味関心に合わせて広告を表示します。そのため配信面のコンテンツは必ずしも指定した項目と一致する動画内容とは限りません。
実際の配信結果は、かなり懸念のある結果となりました。
最も表示回数の多かった動画は「視聴不可」となっており、これは動画投稿者もしくはYoutubeにより動画が既に削除か非公開にされていることを示します。
それ以外の動画についても、不審な男性から追いかけられ逃げる若い女性の動画や、権利者ではないアカウントによるアニメやドラマの切り抜き動画となっています。
Youtubeショート動画は先述した通り、大半は60秒以下かつスキップもされやすいという制約の中で、より素早く、強くユーザーからの注目を集められるようなコンテンツが多く投稿されています。
また、プラットフォームであるYoutubeにより削除されるのは、規約に違反するようなセンシティブ/ショッキングな内容であったり、権利侵害による申し立てを受けた動画であることが多く、そういった動画に併せて広告が表示されることはブランド毀損を招く可能性が大きいと言えるでしょう。
トピックターゲティング
ユーザーの興味関心ベース広告を表示するアフィニティターゲティングと異なり、
トピックターゲティングはユーザーが視聴する動画の内容ベースで広告を表示する機能となっています。
実際の配信面はこのような結果となりました。
アフィニティターゲティングに比べて、「化粧品・美容」に関連するコンテンツへの配信が増加。ただ、最も広告が表示された動画は脱毛用レーザーを照射されて男性が痛がるという内容で、美容系の商品をプロモーションする枠として適切とは言い難いものでした。また、湖の中のワニなど全く関係性のない動画へも配信されており、こちらもターゲティングの精度的に理想的とはやや言い難い内容です。
プレースメントの透明性について
今回の検証において、ブランドセーフティやターゲティング精度以外でもっとも気になった点は、そもそもプレースメントが確認できない配信面の割合が多いという点です。
例えば、アフィニティターゲティングでは、約65,000回インプレッションが発生していますが、うち8割に当たる約51,000回は「その他」として分類され、実際にどのコンテンツに広告が表示されたのか確認できません。
同様に、Topicターゲティングでは、約3,500件のインプレッションのうち六割に当たる約2,100件が「その他」に分類され、こちらも確認不能な配信面が大部分を占めました。
実際の管理画面
配信形式ごとの比率
横型動画への配信でも、アフィニティやトピックターゲティングを利用することで、プレースメントの確認できないインプレッションが発生することはあります。
とはいえGPで過去に実施した横型動画へのアフィニティターゲティング配信と比較してもYouTube ショートへの配信の方が「その他」カテゴリに分類される割合が高く、横型動画への配信より透明性に欠ける結果となりました。
プレースメントが「その他」に分類された場合、広告がどのコンテンツに表示されたのかを確認する方法はありません。
これでは当然配信先のコンテンツという側面での最適化や改善は望めず、全体のパフォーマンス分析においても要因を特定しきれず、せっかく広告費を投下したにも関わらず次の施策に繋がるような示唆も得られにくいのではないでしょうか。
ショート面への広告配信でGPを活用するメリット
GPは指定した単語をコンテンツ内に含む動画のみを動画IDベースで抽出し、プレースメントターゲティングによって広告配信に活用するプロダクトです。
過去実施したYoutubeショート面への広告配信案件では総配信数900万のうち、その他に分類された配信はわずか9万件(約1%)にとどまりました。
プレースメントターゲティングの場合、そもそも配信先として指定した動画にのみ広告が配信されるため、透明性という点では圧倒的に軍配があがります。
プレースメントを指定できることで、広告主のブランドイメージを毀損するようなコンテンツを事前に検知し弾くことができ、商材やターゲットにあったコンテンツのみに広告費を投下できる等、より効果的な広告運用が可能となります。
またどのようなプレースメントでは反応がよいか、悪いかなどの分析も精緻に行うことができ、それらの情報を基に次回以降の配信に対する示唆も得ることができました。
このようにGPはブランドセーフティを確保しつつ、広告効果の分析と最適化も叶うプロダクトとなっています。
今後さらに利用者数の増加が見込まれるYouTube ショートは、広告の配信先としても今以上に無視できないものとなっていくでしょう。
Youtubeショート面への広告配信でお困りの場合は、ぜひGPまでお問い合わせください。